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【移住実践者が教える】移住後の仕事はどうする?地方での働き方・仕事の探し方
地方移住を考えるとき、様々なことを考えなければいけませんが、中でもポイントとなるのが移住後の「仕事」です。
地方へ移住したいけれど、仕事をどうすれば良いかわからずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、地方での働き方や仕事の探し方と南相馬市ではどんな支援があるか紹介します。
この記事を書いた人
福島県南相馬市出身。ローカルエディター。東京の大学を卒業後、成田空港でグランドスタッフとして勤務。2011年の東日本大震災で故郷が被害を受けたことで地方への関心が高まり、「アートと地方」をテーマに活動開始。2019年にパートナーの出身地である須賀川市へJターン移住し、『guesthouse Nafsha』を開業。宿運営をしながら、ライター業やアーティストとの協働など、地域の魅力を見つけ、編集して発信する“ローカルエディター”として活動している。
地方での働き方とは?
業種や職種は地方ならではの特徴がありますが、働き方自体は地方も都市部もさほど変わりません。まずは、地方での働き方の選択肢について見ていきましょう。
- 転勤・テレワーク
会社を変えず、今働いている企業で転勤願いを出すのもひとつの手です。基本的に給与水準が都心部に比べて低いと言われる地方においては、条件をさほど変えずに安定的な収入を得るための賢い選択と言えるかもしれません。
- 転職
地方移住で最もポピュラーなケースでしょう。移住をきっかけに地方企業への転職をすることは、地域を知ることにもつながります。しかし、地方独特の企業文化やルールがある場合も多く、入社後のミスマッチも起こりがち。就職先選びは慎重に行うのがおすすめです。
- 独立・起業
身につけた専門分野を生かして、個人事業主になったり起業するというのも選択肢のひとつです。最近では、地方ならではニーズを掘り起こし、新しいサービスを提供して活躍している個人・法人も増えてきています。
また、農業や漁業での独立も第一次産業も地方ならではの働き方と言えます。
- 地域おこし協力隊
都市部からの移住であれば、総務省管轄の「地域おこし協力隊」制度を利用することも可能です。主に人口減少や高齢化の進んでいる地域を盛り立てることが目的ですが、仕事内容は受入れ自治体によって様々。最近では地方での起業を前提とした「起業型地域おこし協力隊」の制度も設けられています。
地方での仕事探しの方法は?
次に、地方での仕事の探し方について挙げていきましょう。
- 民間の求人サイト
民間が提供している大手就職・転職サイトには、地方でも特に採用に力を入れている企業が掲載されています。最近では優秀な地方ベンチャーが育ってきているので、あわせてチェックしてみると選択肢の幅が広がるでしょう。 - ハローワーク
仕事探しの定番、ハローワーク。特に地方では、都市部に比べてまだまだハローワークでの職業紹介が主流です。地元の老舗企業や基幹産業での就職、また事務職などでの仕事を探す場合には適した方法と言えます。 - ふるさと回帰支援センター
東京・有楽町に拠点を構え、20年以上にわたり地方移住のサポートを行ってきた非営利のNPO団体。全国の自治体とも連携しながら、常駐の都道府県ごとの専門相談員に無料で相談できます。 - 各自治体の移住相談窓口
地方移住促進のため、独自の移住相談窓口を設けている自治体も多くあります。特設サイトや移住担当の課に相談をすれば、オンラインや対面などを通して、現地ならではのリアルタイムな情報を提供してもらえます。 - 紹介
古典的な手法ですが、地方での仕事探しで意外と多いのが「紹介」です。企業のオンラインでの情報発信が都市部ほど充実していないこともあり、実際の仕事探しは伝手を頼る場合がまだまだ多いのが現実。信頼関係にも直結するので、案外ミスマッチの起こりにくい方法かもしれません。
これまで、地方での代表的な働き方・仕事の探し方についてみてきました。
続いて、地方それぞれに独自の働き方や仕事の探し方がある中で、南相馬市ではどんな支援があるのか見ていきたいと思います。
「新しい挑戦のまち」として人気の南相馬市
福島県の沿岸部に位置しており、東京から中心部の原ノ町駅へ特急一本でアクセスできる南相馬市。東北ながら雪も少なく、太平洋に面した明るい気候のため、年中通して過ごしやすいと、今注目を集めている移住先でもあります。
2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた南相馬市ですが、現在では復興も進み、一部では震災前よりもにぎわいを見せているエリアもあるほど。近年ではそんな復興の勢いに惹かれた人たちが県外から足を運び、「新しい挑戦のまち」としても活気づいています。
新たなチャレンジを応援する充実した支援制度
南相馬市では、新たに移住や起業などのチャレンジを考える人に向けて、充実した支援制度が整備されています。
南相馬市に移住する際に受けられるサポートの中から、いくつか特徴的なサポートを抜粋してご紹介します。
1)働く支援
福島県12市町村移住支援金 | 5年以上居住する意思をもって、福島県外から南相馬市へ移住し、就業もしくは起業する方に移住支援金を交付。2人以上世帯最大200万円(東京圏からの移住において18歳未満の子ども1人につき最大100万円加算)、単身世帯最大120万円。 |
南相馬市移住支援金交付事業 | 東京23区(5年以上在住者または5年以上通勤者)から5年以上居住する意思をもって南相馬市へ移住し、就業もしくは起業または自己の意思でテレワークを実施している方に移住支援金を交付。2人以上世帯100万円(18歳未満の子ども1人につき最大100万円加算)、単身世帯60万円。※福島県12市町村移住支援金との併用不可 |
2)起業支援
福島県12市町村起業支援金 | 5年以上居住する意思をもって、福島県外から南相馬市へ移住し、新しく起業する方の起業に必要な経費の一部を補助(最大400万円 3/4以内)。 |
商店街空き店舗対策事業補助金 | 市が指定する地域内で、空き店舗を活用して、市・商店会が認めた事業を行う場合に賃借料(月額上限15万、補助率1/3~1/2、最長2年間)および改装費(上限200万円、補助率1/2)の一部を助成。 |
3)就農支援
新規就農者育成総合対策事業補助金 | 農業への人材の一層の呼び込みと定着を図るため、就農時に49歳以下の認定新規就農者を対象に、年間最大150万円を最長3年間交付。 |
みらい農業学校 | 2024年4月に開校した公設民営の農業学校。法人化の進む南相馬市の農業で、「雇用就農」に特化した1年間のプログラムを通して、未経験から就農の基礎を学べるのが特徴。 |
新しいチャレンジを後押しするプログラム
また、制度だけにとどまらず、自らのやりたいことを具体的に実現するためのプロジェクト・プログラムが南相馬には整っています。ここでは、代表的なものを2つ見ていきましょう。
自分のやりたいこと × まちの課題から事業を立ち上げる「南相馬市事業化実現プログラム」
南相馬市事業化プログラムは、主に首都圏や都市部からの20代を対象とした、3か年の事業化プログラムです。自分のやりたいこと × まちの課題から事業を立ち上げるというテーマで、2021年からプログラムが開始され、現在2期生が活動中。プログラムは、1)事業を考える、2)整える、3)実現するの3つのフェーズから構成され、フィールドワークやメンターの伴走を踏まえながら、時間をかけて確実な事業化を目指します。若手が対象と言うこともあり、地方で新しいチャレンジを始めてみたい!という方に向けて最初の一歩を踏み出すのにおすすめのプログラムです。
南相馬で起業するなら「Next Commons Lab 南相馬」
東日本大震災と、それによる福島第一原発の被害を大きく受けた南相馬市。特に一番南に位置する小高区は、全域避難対象区域となったことで、一時は誰も住めない土地となりました。2016年に避難指示区域の解除された後、現在に至るまで少しずつ町は活気を取り戻し、今では「起業のまち」として知られるようになっています。
『Next Commons Lab(NCL)南相馬』は、「予測不能な未来を楽しもう」をテーマに、地域課題や資源に焦点をあてたプロジェクトを推進する、南相馬市の起業型地域おこし協力隊事業です。採択者は最大3年間支援金を受けながら、起業・独立へ向けて活動に取り組みます。
これまで酒蔵やデザイン会社、サーフィンでの観光事業など、南相馬の特性を生かした事業が生まれました。起業を応援する風土が整っている小高から新しいチャレンジをしたいという方には、必見のプログラムです。
南相馬市への移住を考える方は「よりみち」へ
今回、地方での働き方や仕事の探し方、南相馬市の仕事についての支援内容についてまとめてきました。
どんな仕事があるのかもっと知りたい、南相馬市ってどんなところ?など、移住や仕事探しに向けた疑問・相談がある方は、よりみちの移住相談をご利用ください。移住実践者のコンシェルジュが疑問に丁寧に対応させていただきます。遠方の方はオンラインでの相談も可能なので、ぜひお気軽にご利用ください。