【体験記】震災後、南相馬に広まった藍染文化とは?

復興の願いが込められた藍染の文化

実は南相馬の藍染の文化は、震災後に復興の願いが込められて広まっていったものとも言えるんです。

東日本大震災のあと、放射能汚染の懸念がありすべての農作物が作れなくなってしまった南相馬市。
そんな状況下で、なにかできることがないか?という思いで農家さん達がたどり着いたのが「藍染」でした。

原発事故の影響で休耕地となってしまった場所を使って、育てられた藍の葉。
食用ではないので安心して栽培・ものづくりができるということで、大変な状況下でも前向きに復興に向けて動いてきた農家さんたちの想いが詰まった藍染文化

「ものづくり」と聞くと、年配の人のイメージもありますが、南相馬では若い人の間でも藍染の文化が根付いているのが印象的です
地域の大きなイベント時でも気軽に体験できるコーナーがあったり、時には小学校で藍染め体験を行うこともあります。

今回講師をしてくれたよりみちスタッフもまた、20代の頃にその藍染文化の始まりに心動かされ、藍染をスタートしたようです。

いざ、体験!

まず最初に行ったのは色の原料になる藍の葉を煮出すところからスタート。
そこにソーダ灰とハイドロというものを入れていくと・・・

最初は緑色だった藍の葉から、こんな鮮やかな青の色へと変化しました!

染料の準備をしながら、模様作り。
作業の中で1番難しかったのは、模様作りでした。

糸で絞って作る模様
ビー玉やスーパーボールで作る模様

藍染の模様付けのやり方はいくつかあり、それがどんな模様になるかは染めてみないとわかりません。
経験者の方でも正確な出来上がりを想像するのは難しいようで、初心者の私達はなんとなくで模様作りをしていきます。

それぞれ、思い思いに模様作りをしたら、あとは染める作業のみ!

染料液の中で、黙々と生地に液を染み込ませていきます。

取り出してみると、最初よりもさらにきれいな色になっています。

同じ染料を使っているのに、それぞれ色の濃さやまだらな様子が異なっているのが不思議です。

あとは、糸を解いて乾かすと完成!
この糸を解く瞬間が1番ワクワクするところでした。

「どんな模様になったんだろう?」

模様の完成度はこの瞬間までわからないのです。

藍染の魅力は?

藍染の魅力は?と聞かれたら、「1つとして同じ模様の作品がないこと」だと思います。

最初にお伝えしたように、どんな模様になるのか、そしてどんな色になるのかは、染める素材や模様をつけるための道具で変わっていきます。
道具も同じスーパーボールを使っても、染めている時の染み込ませ具合によって全く変わってくるのです。

「次はこの素材で、このデザインを作ってみたい!」
「どうやったらこんなデザインになるんだろう?」

1回やったら、すぐにまたやってみたいと思えるのが藍染体験だと思います。
今回講師をつとめてくれたスタッフも「世界で1つしかない作品を作れるのが藍染の楽しみ!」と話してくれました。

想像していた以上に藍染の世界は奥深く、興味深い体験となりました!

藍染体験ができる場所

最後に、南相馬で藍染め体験ができる場所をご紹介します。

藍染の体験を定期的に行っている施設はありませんが、市内の農家民宿では問い合わせると対応してくれるところがあるようです。

もし、南相馬に滞在されるときは農家民宿を検討してみるのもいいかもしれません。
農家民宿一覧はこちらより確認できます。

その他、大きなイベント時には体験ワークショップが開催されている場合もあります。
南相馬市内で行われているイベントについてはこちらより確認できますので、合わせてチェックしてみてくださいね。

今回利用させていただいた施設

小高交流センター:キッチンスペース

今回、藍染体験場所として使わせていただいたのは小高区にある小高交流センターという場所です

こちらは無料で様々な施設を利用できる他、南相馬市民であれば、今回のように部屋を貸し切って利用することもできる場所になります。(非営利イベントの場合は利用料免除)

今回お借りしたのはキッチンスペースですが、普段は子ども食堂や、料理教室のイベントなどが開催されています。
キッチンスペース以外にもトレーニングルームやこどもの遊び場、講義などで使える多目的室などもあります。

また、6月と10月に行われている「小高つながる市」では藍染の体験会が開催されることもありますよ!

小高交流センターでは定期的にイベントも行われているので、是非南相馬に訪れる際にはイベント情報と合わせてHP等を確認して行ってみることをおすすめします。

施設住所〒979-2124 福島県南相馬市小高区本町2丁目28
公式HPhttps://www.city.minamisoma.lg.jp/portal/sections/21/2110/2/1/7418.html
公式SNShttps://www.instagram.com/odakakouryu/

まとめ

藍染という体験をしたことがある人は、数少ないかもしれません。

一方で、藍で染められた製品を手に取ったことがある人は少なくないのではないでしょうか?

一度体験すると、生活の中で見つけた藍染の作品がどんな工程で、そのデザインになったのか?など、
少しだけ違う視点で見えてくるようになります。

震災という悲しい出来事から、広まっていった南相馬の藍染文化。

ぜひ、南相馬にお越しの際には1度体験してみてはいかがでしょうか?

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