【3区の魅力紹介シリーズ】チャレンジャーが集まるまち!小高区特集

南相馬市の3つの地区を深掘りしてお届けする特集の第3弾。最終回となる今回は、南相馬市南部に位置する「小高区」を紹介します。震災当時は一時的に無人となった小高区ですが、現在はゼロからのチャレンジに取り組む若き起業家の移住が徐々に増えています。
「ゼロから新しいことにチャレンジできる場所」として注目されている小高区。これからさらに、多様な事業や社会活動に取り組む人々が集まってくることが予想されるこのまちの“今”をご紹介します。
立地情報とアクセス
小高区は小高地区、金房地区、福浦地区の3つの地区に分けられます。

常磐自動車道を利用するなら、南相馬ICから小高区の中心部までは車で約25分。常磐道と並行して走る県道34号(通称「山麓線」)や、中央を通る県道120号(鹿島浪江線)、主要幹線である国道6号などがあり、意外にも通勤や移動の選択肢が多いのも特徴です。
かつて江戸時代には宿場町として栄えた小高区。明治時代以降は、織物産業が盛んだった「小高地区」、養蚕や紙漉きが根付いた「金房地区」、そして漁業や製塩で知られる「福浦地区」の3地域に分かれて、それぞれの文化を育んできました。
震災で一度人口が0になったこのまちには、今、再生に向けて前向きに挑む人々が集まっています。課題を「チャンス」と捉え、明るくまちづくりを進める人たちの姿が、この小高区にはあります。
エネルギー溢れる再出発の場所|「小高地区」
駅前通りに立ち並ぶ個性豊かなお店たち
かつて宿場町として栄えた小高駅前通り。震災後は、県道168号線沿いを中心に店舗や施設が増え、少しずつ活気が戻りつつあります。
駅舎を活用した「PUBLIC MARKET」、作家の柳美里さんがオーナーを務めるブックカフェ「フルハウス」、福島の雑貨が揃うギフトショップ「KIRA」、クラフト醸造パブ「haccoba」など、個性豊かな店が立ち並びます。
宿泊には「双葉屋旅館」がおすすめ。地元出身の女将による温かなもてなしで、実家に帰ったような気持ちになれると好評です。

多世代の交流拠点 小高交流センター
小高駅から徒歩約5分のところにある「小高交流センター」は、蔵造り風の外観が目を引く交流施設です。
敷地内には、屋内の子ども向け遊び場やワークスペースのほか、地元で採れた野菜を販売するマルシェ、食堂や喫茶店も併設されています。
この施設は、小高区での生活再建において大切な「住民の居場所」として整備されたもので、訪れる人々の出会いや交流を育みながら、まちのにぎわいを取り戻す役割を担っています。


子育て世代必見!子どもの遊び場 NIKOパーク
子どもたちが安心して遊べる屋内施設「NIKOパーク」。0歳から小学生までを対象に年齢別の遊具エリアが設けられ、プレイリーダー(スタッフ)も常駐して一緒に遊んでくれるため、保護者も安心して利用できます。
ボルダリングやネット遊具のアクティブゾーン、ままごとや積み木などの静かな遊びゾーンもあり、月齢や性格に合わせて自由に遊べる環境が整っています。

宿泊できるコワーキングスペース 小高パイオニアヴィレッジ
「小高パイオニアヴィレッジ」は、宿泊もできるコワーキングスペースです。
またこちらは、地域課題の解決や資源活用に取り組む、起業型地域おこし協力隊「Next Commons Lab南相馬」のメンバーの活動拠点にもなっています。
起業や地域課題解決に関心のある方は、ぜひチェックしてみてください。

自然豊かな地で新たな価値の再生へ|「金房地区」
農業の担い手を育てる みらい農業学校
震災後、南相馬市では農業従事者が約70%減少し、高齢化も進む中、2024年4月に「みらい農業学校」が開校しました。幼稚園を活用した校舎には、今も園庭の遊具が残り、温かみのある雰囲気が漂います。
この学校では、県内外から移住した人たちが実践的に農業を学び、地域の農協や企業とのつながりも築けます。子育て支援もあり、安心して農業に挑戦できる環境です。
今年3月に卒業した第一期生は、就職や自営農家としてそれぞれの道を歩み始めています。これからの活躍が楽しみです!


馬との新たな共生を目指して Horse Value
馬文化が根付く南相馬で、“馬の社会的価値を高める”ことをビジョンに活動しているのが、NCL卒業生が代表を務める「Horse Value」です。
馬のミラー効果と心理学を組み合わせた組織開発プログラムや、海辺での乗馬体験、乗馬レッスン、預託サービスなど、馬との新しい関わり方を提案しています。
馬が好き、乗馬をしてみたいとお考えの方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。


歴史と自然を感じる|「福浦地区」
大悲山の大杉と石仏
国指定史跡「大悲山の石仏」の参道には、樹齢1,000年以上とされる2本の大杉がそびえ立ちます。
県の天然記念物にも指定されている樹高45メートル、幹周り8メートルもの巨木で福島県浜通り地域で最も太い杉と言われています。神秘的なエネルギーを感じる大杉。まるで石仏を守るかのように立つ姿には圧巻です。


阿弥陀堂・薬師堂・観音堂の三堂からなるこの石仏群は、日本三大磨崖仏の一つとされ、平安時代の作と伝えられています。誰が造ったのかなど詳細は不明で、多くの謎に包まれたままです。
これほど古く、大規模で美術的価値の高い石仏群は他になく、国指定史跡として登録されています。
神秘的なその姿を、ぜひ現地で体感してみてください。
冬のフォトスポット 前川浦
村上海岸にほど近い「前川浦」は白鳥の飛来地として有名で、毎年たくさんの白鳥が、冬になると羽を休めに訪れます。
駐車場の北側と南側で見え方が少し違うようなので、お気に入りのスポットを見つけて、優雅な白鳥の姿をぜひご覧になってみては。

移住相談は「よりみち」へどうぞ
いかがでしたか?小高区は新たなチャレンジが進む勢いのある地区です。もっと小高区のことを知りたい、実際に暮らしている人の話を聞きたいなど、少しでもご興味がありましたら、ぜひ私たち「よりみち」にお気軽にご相談ください。南相馬ってどんなところなの?という基本的な質問から具体的な制度や生活環境、住まい探しのサポートまで、移住実践者のコンシェルジュが丁寧にお答えします。遠方の方はオンラインでの相談も可能なので、ぜひお気軽にご利用ください。
この記事を書いた人

福島県白河市出身。千葉県での生活を経て2015年に宮城県へ移住。移住後に始めたサーフィンをきっかけに、「サーフィン×アート」をテーマにアートワークやフィン制作をスタート。2024年からサーフトリップで南相馬市を訪れるようになり、まちの雰囲気やサーフィン環境、市の移住者支援への取り組みに関心を持ち、移住を決意。「楽しく仕事×創作活動×サーフィン」を軸に、新たなライフスタイルを求めて2025年1月に南相馬市へ移住。